鼻
鼻は美人度を決める最も重要なパーツです。鼻の整形手術は高い技術力とデザイン力が求められる分野であり、未熟な医師が行うと失敗して、修正手術が必要となるケースもあります。
プロテーゼの適切な加工と、軟骨を立体的につくり変えることが重要であり、いわゆる「切らない鼻の整形」は効果が乏しいか、すぐ元に戻ってしまいます。
また鼻は横顔のシルエットと正面の細い鼻スジを、同時に美しくする必要があります。ですから一度の組み合わせ手術で完成させることが望ましいです。
※鼻は繰り返し手術をする人が多く、他院で上手くいかなかったケースの修正手術を依頼されることが少なくありません。そうした場合、癒着・瘢痕や血流障害により組織が非常に脆くなっており、修正するにしても限界があります。ですので専門的な術式を経験しているドクターのもと、自分に最適な術式を提案してもらうことが大切です。
■鼻が低い・・・プロテーゼにより鼻根を高くするのが隆鼻術です。これにより横顔のシルエットと、正面から見たときの鼻スジが整います。
プロテーゼで最も多い勘違いは、プロテーゼで鼻先の高さや形を出そうとすることです。
一昔前はL型プロテーゼといって、鼻尖まで人工物のシリコンによって形を出そうとしていましたが、鼻尖のヒフに負荷がかかってヒフが赤く薄くなったり、拘縮変形によってアップノーズになったりというトラブルが多発しました。
そのため現在では、鼻尖は軟骨で形成する方法をとります。プロテーゼで高さを出せる部分は、「眉間」から鼻背の真ん中にある出っぱり「鼻骨」までの範囲になります。
■ダンゴ鼻・・・ダンゴ鼻の人の鼻尖は、軟骨が丸く開いた形状をしており、また軟骨のサイズも小ぶりのため、鼻尖が丸く上を向いて見えます。
これを軟骨を縫合(あるいは部分切除)したり、他所から軟骨を移植したりして、シャープな形に作りかえる手術が、鼻尖形成術です。
鼻の手術を希望される人のおよそ6割は鼻が低く、ダンゴ鼻の傾向にあります。この場合、横顔では鼻が低く、正面では短く見えてしまいます。
鼻根部はプロテーゼで、鼻尖部は鼻尖形成によって整えることが、整った鼻スジにするベーシックな方法です。
そのため 鼻プロテーゼ+鼻尖形成 の組み合わせ手術が最も多く選ばれます。そして半数近くが「できるだけ鼻先もしっかり出したい」と希望されるため、軟骨移植を追加して行います。
■軟骨移植術・・・軟骨が足りない場合は、耳から軟骨を調達します。耳の形態に影響がないように、また極力傷が目立たないようにして軟骨を採取し、それを鼻先の形成に利用します。
鼻尖形成の場合、多くは耳珠軟骨を用いますが、後に述べる鼻中隔延長術では、耳介軟骨や鼻中隔軟骨を利用します。
■鼻中隔延長術・・・鼻が上を向いている、鼻の穴が正面から見える、あるいは「鼻先をもっと高くしたい」「下向きに出したい」といったリクエストの人に適しているのが、鼻中隔延長術です。
こうした人では、鼻中隔軟骨という「鼻の大黒柱」とも言うべき中心を支える軟骨が短いため、これを移植軟骨を継ぎ足して延長する必要があります。
移植軟骨には耳介軟骨、鼻中隔軟骨、あるいは豚の肋軟骨を使います。
以下から、鼻プロテーゼの特徴の幾つかを漫画で、詳しく見ていきましょう!